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ビジネスリーダーのためのコーチングの学校、DELIC(デリック)。 何かを教えたり押し付けるのではなく、対話により相手の気づきや能力を引き出したり、生産性や目標達成を促進できるという特長から、最近は日本でも、コーチングを職場のリーダーの必須スキルとする企業も少なくありません。しかし、プロのコーチを養成するスクールはあっても、コーチ自身もパフォーマーとして職場で同じように働きつつ、チームの仲間と協働する環境においてのコーチングの技術はまだそれほど語られていません。林健太郎さんが主催するDELICはまさにその技術を最も短期間で学べる、ビジネスリーダーのためのコーチングの学校です。詳しくお話を伺いました。
(話し手… 合同会社ナンバーツー 林健太郎  聞き手… おおばやしあや)

※この記事を読むのにかかる時間…約15分

仕事する能力があっても、共に働く能力がなければ、人は動かない。リーダーたちの課題を支えるために

――DELIC(デリック)は私も受講させていただいたことがあって、狙いの通りの本当に素晴らしいプログラムなんですけれど、初めての人のためにお聞きします。DELICは、誰のためのものですか?

悩めるビジネスリーダーのためです。「良いパフォーマー」イコール「良いリーダー」ではないということですね(参照:企業研修)。多くの会社において優れた仕事人は、なんのトレーニングもないまま、ある日リーダーやマネージャーになることを命じられて、リーダーとしての自分のあるべき姿がわからず、自分の業務と管理業務、あるいは部下の仕事まで背負ってしまうんです。とりあえず自己流でなんとかやっているけれど、困難な局面が訪れたら恐らく対応できないことも薄々わかっている。または、自分は自力で出来てきたけれど、それを後進に教えることができない…そんなビジネスリーダーたちのための、コーチングの学校です。

 

――自分自身ができることと、相手に教えたり導いたりすることは確かに別ですよね。

営業マンに結構多いんですが、優れた営業マンは自分の営業スキルを説明できないことがありますね。なぜ売れるのかを解説することができない。リーダーも一緒で、山勘・肌感でやっていて、それどうやっているんですか?と聞いても言葉にして説明できない。

 

――そんな状況の人たちへ、意図的にリーダーシップを見つめていこうと働きかけているわけですね。リーダーにコーチングスキルが必要だということを、改めて言語化していただきたいのですが。

私たちが働くにあたって、仕事をすることに必要な職務能力を身につける癖は付いていると思いますが、そういった職務能力があっても、共に働く能力がなければ人は動きません。一人で成果を上げることではなく、チームとして成果を挙げるということを考えた時、仕事の内容は大きく変わりますよね。「人を蹴落とそうが、何をしようが、誰の力も借りず、自分がパフォーマンスを上げればいい」というところから、「自分は手を下さないで、あるいは少ししか手を下さず、周りの人が快く動いてくれてくれるから、成果が上がる」というようなことに仕事の性質が変わるので。

その時に、コミュニケーションを取るということはオプション的ではなくて必須事項なんですよね。一人で動いて周囲とコミュニケーションをあまり積極的には取らなかったような、以前と同じやり方ではうまくいかないはずなのに、やり方を変えない人が多い。

 

目指すのは、周囲に「この人になら力を貸してあげてもいいな」と思われる程度のコミュニケーション

――快く周囲に動いてもらうための。なるほど。コーチは相手の気づきや成長、行動変容を促進しますが、相手に気持ちよく決断してもらう、動いてもらうという意味で、リーダーとコーチはとても親和性が高いですね。そしてそれは必ず対話から為されているので、適切なコミュニケーション能力が必須であると。

はい。そこでリーダーと部下が共に働く職場で必要なのは、いわゆるコーチングのやり方というよりは、100%のモチベーションじゃなくていい、1%くらいの量でかまわないので、周囲が「あ、このリーダーには力を貸してあげてもいいな」と思えるようなレベルのコミュニケーションなんですよね。

あるいは大きい会社であれば、自分の上司にガッカリして隣の部署にいるコミュニケーションが上手なリーダーを羨み、来季はそこに異動願いを出したいな~と思われないやり方とか、給湯室で部下同士に「今日あいつにこんなこと言われちゃったよ、ありえない」といった会話をされないとか、一番信頼している部下に「リーダー、陰でこんなこと噂されてますよ」と言われない感じのリーダーになれるようなコミュニケーションです(笑)。

 

――(笑)目に浮かぶようですね。引き続きこのリーダーの下に居続けてもいいかな、と思われるくらいのコミュニケーションができる。それが林さんの言う「職場でリーダーができるコーチング」なんですね。

そういうリーダーになっていないといけないですね。

 

――お話をお聞きしていると、今現在もこれからも、日本の職場で本当にリーダーに必要とされるスキルなのではないかと思います。管理職、リーダーの人にもっと知って活用いただきたいですね。

本当に、彼らの境遇は気の毒で。ツールを、弾を持っていないのに「戦え」と言われているようなものなんですよ。DELICは、リーダーや管理職という方には本当に実用的で、これまでの受講生の方々にも喜んでもらっているので、ぜひ来ていただきたいですね。

 

一般的なコーチングの手法と、職場でリーダーが実際に使えるコーチングは、全く違う

――ガチガチのコーチングではなく、肩の力を抜いてコミュニケーションできるような手法であるのも、優しくていいですね。

はい。コーチングスキル研修とかコーチングスクールに行くと、リーダーが豹変するというパターンがあるんですよね。例えば上司のスケジュールに、そんな関係の研修に行くという予定が書かれていて、1-2日会社にいなくて、翌日戻ってきたら突如「何でも言って(^_^」という風になる。それは部下からしたら警戒アラートが立ちますよね。「えーなんだろうこれは、どういうつもりなんだろう…」と恐れて、何でも言って~って言われても絶対何も言わないですよね(笑)。…で、結局部下が何も言ってこないから、なんだコーチング駄目だな、全然使えないじゃないか、とその上司は判断してしまう。

 

――小手先のテクニックで人を動かせると思ってしまうパターンですね。

提供する側もする側で、スクールではHow to的に、こう言いましょう、これをやりましょう、とプロセスやセオリーを中心に伝えてしまう。けれど実際はうまくいっていないですよね。その与えた技術が、実際に職場で有効だったのかどうかの検証をしなくてはいけないのに、やっていない。コーチの発言として「何でも言って」というのはある意味定石なんですが、状況としてそれを許容できる素地がないというか、関係性がないんですよね。

その上司が普段どういう仕事の仕方をして、どんなコミュニケーションをとって、部下との関係性を持っている人なのか、急に「何でも言って」と言わせてしまってもいい状況なのか。職場で上司が部下にコーチングするということは、外から来て契約の時間が終わったら去るプロのコーチと違って、これからもその場で関係が続いていくということで、逃げ場がないわけです。それを忘れて、コーチングのお手本みたいなことを教えても、実際変化の役には立ちませんよね。…そんなふうに、コーチングスクールに行く前と後で職場にどういうことが起きているのか、それをきちんと考えているの?と問いたくなるようなことをしているところは、まあ結構あります。

考えてみてほしいのは、プロのコーチがコーチングを問題なくできるのは、コーチングだけを受けに来ている相手がいて、相手はコーチングそのものに期待をして、コーチングに対価を払ってわざわざ来てくれるからということ。その前提で「今日はどんな話をしましょうか」「もう少し詳しく教えてください」…とセオリー通りのことをするから効果が出る。他方、上司・部下の関係性で、日常、例えば日常業務の間を縫って捻出した1時間の中、対価が発生する間柄ではない中で、そんな会話が急に成立するのかというと、それは難しいですよね。

 

――手法にこだわって、正規のコーチングと職場でのコーチングの間のズレをわかっていないと、部下に警戒アラートを立ててしまって、ますますギスギスしてしまうという…。

職場では時には、コーチングを使わないことが正解な場合もあります。ある意味、相手の中に答えがあるかもしれない、ということを前提にしているのがコーチングですが、例えば洋服屋さんに新しく新人の店員さんが入ってきたときに、「この陳列の仕方についてアイデアを話し合いたいんだけど、どう思う?」と聞いても「いや、私昨日入ったばかりなのでわからないんですけど…」となりますよね。当然ですが、状況がわからないから何も出てくるはずはないですよね。だとしたら、その場面では「これをこういう風にやっておいて」という指示命令が正しいという判断が必要だということなんです。コーチングがいつもいいと思っているのは、私たちコーチだけです(笑)。

ビジネスの文脈の中で、こういう時に使えて、ここでは使えないよ、というのをきちんと教えてあげないと、実際には現場で使えないですよね。そしていつも状況は一定ではない。実際は、天候だとか、相手の体調や精神状況だとか、色々な因子があって、うまくいかない時ももちろんあるでしょう。相手がいる問題は、数学のように常に同じ答えが導き出せるものではありません。そこでは「一回やってダメだったらやめてしまうの?相手の機嫌が悪かっただけかもしれないよ、もう一度別のタイミングでやってみたら?」というフォローも、DELICの生徒さんには私からしてあげたいところです。

 

日常の中で、ふとした瞬間にリーダーができる、小さな声掛けや行動から始まる「変化」

――林さんが香港へコーチングを学びに行ったのは7日間でしたよね。DELICさんが2日間…実質1.5日という期間で、職場で使えるコーチングの要素を教えてくださるのは、お得ですよね。

実は、リーダーが実際にビジネスの文脈でコーチングを使う時に、これ以上はできなさそうだなという「線」があります。そこが、プロのコーチが関わるかどうかの領域なんですが。コーチングって、傾聴とか承認とか優れた質問とかいうところがすごくフィーチャーされたりしていますが、その部分なら多分リーダーもできる。けれどコーチングって本来「行動変容」のためのものなんです。傾聴や承認といったテクニックのもっと後ろ側に、しっかりと目指す変化があるんですよね。

それを組み合わせて、全体的な対話の流れを作っていく、その中で思考が変わったり、選択肢が増えたり、アクションが変わるとか、より高度なところにチャレンジしたりとかいうものが生まれます。「線」の後ろ側にそういう、もっと高度なテクニックが必要とされる領域があるんですよね。それは現場でリーダーができることではなくて、プロのコーチが入ってくるべき部分です。なのでその手前の、今現場で本当に必要な要素だけを渡すから2日間で済むというわけなんです。

 

――今、職場で、日常で、身近で、差し迫った状態で、使えるコーチングを教えていただけると。

そうです。例えば、リーダーと部下が廊下で会いました、エレベーターで会いました、あるいは会議の終わりしなにデスクに帰るために歩いているみたいな数分間に、何ができるんだろうということです。

そういう時の会話の内容が「いやあ~今の会議だるかったよなあー!」というものになるのか、それとも「どうだった、今の会議。少し意見を聞かせてくれる?」となるのとでは、だいぶ違います。その問いが出てくるには、コーチングの要素である、傾聴とか承認とか、相手には伝えたい真意があるということをわかっていないとできませんね。

 

「ちょっと」って何分?…不明瞭な感覚を明らかにするところからコミュニケーションの安全性を作る

――面白いですね。相手を変えるためにまず、自分が変わらないといけないということですよね?

そうです、そうです。あとは…DELICのプログラムの中では、例えば5分とかそういった時間を区切ってコーチングをする練習もするのですが、その時に、5分で何ができるか体感できた?と問いかけるようにしています。

時間の感覚のお話なんですけど、例えば部下を「ちょっといい?」と呼ぶときに、リーダーはその「ちょっと」って一体何分か知ってる?と。10秒なのか、3分なのか、1時間なのか、あるいは2日なのか。自分がそれをわかっていなければ、相手も当然わからないわけなので、それはお互いにとって実は恐怖ですよね。しっかりと時間感覚を持って5分コーチングをしてみたときに、その時間内で何を成しえて、何を成しえなかったのかを知ることの有用性を感じてほしいんです。自分は5分で何ができるのか、という物差しができるじゃないですか。これを時間の見積もりといいます。

その上で部下に、じゃあ5分時間ちょうだいと言ったときに、これくらいの話はできそうだなという見込みが立つでしょう。そういう感覚って大事なんですよね。5分で足りないと感じたのであれば、10分もらっていい?と言えるようになるじゃないですか。あるいは、自分が8分くらいである程度コーチングができるなと思ったときに、前後の会話の中にコーチングを挟むので、あらかじめ20分もらえるよう頼んだりとか、そういう目算が立てられるようになったりですね。

部下に対していきなり、コーチングしたいんだけど1時間くれる?というと、うわぁ出た~コーチング…という反応をされそうですけど、そんな風にして、現状報告のあとに8分くらいコーチングさせてもらうけどいい?とあらかじめ伝えておくと、相手も、まあそれくらいならいいかと必要以上に構えてしまうことも減りそうですよね。

 

――暗黙の中にある曖昧なものを明らかにして、コミュニケーションの中に安心感を持たせようとすることなんですね。時間とボリュームを意識して、自分で程度を決めることもできる。確かに、そんな見積もり感覚は自分にも相手にもいいですね。

そういう風に、こまごまとしたコーチングスキルを使える人が、ビジネスの現場に増えてくれたらいいですね。それ以上のことはプロのコーチの領分ですから。

 

小さなコーチングから「この上司、すごく好きかも」と思ってもらえること、そこから起こる変容

――しかもそれは、自分もパフォーマーとして働きつつ、小出しで、1日に、1%くらいの労力でできることですね。

そうです。例えばリーダーが「もうちょっと詳しく教えて?」という問いかけをスッと出せるだけで、相手が目を輝かせて何か言う可能性もあるわけです。「ああ、そういう見解もあるんだね」と承認したら、何かモチベーションが上がって、その部下が今日の出来事として職場だけでなく家庭でも体験談を家族に語るとか、そういう影響力に繋がる可能性がるんです。そしてそういう関わりは、その部下がキャリアの中でずっと覚えている言葉になる。そういうことの積み重ねで、あの上司好きだなというイメージが部下やチームメンバーの間にできれば、チームは成功への道を進み始めます。

想像できると思うんですけど、「この上司すごく好きかも、今日」と思ったら、それを帰って家族に伝えるかもしれない。そうすれば、翌朝家を出るとき家族に、あなたいい上司持っているんだから頑張りなさいよ、と背中を押されてモチベーションが上がるみたいな連鎖につながる。単純な話ですが。大きな変化を一気に狙うのではなく、こまごま変容を継続的に起こしていかないといけない。今のリーダーは昔に比べて、多くを求められるようになってきているように感じます。

 

――その小さな積み重ねで、職場はきっと良くなっていくでしょうね。改めて、今の時代のニーズに合って実際に使えて、小さな労力で職場に変化を生み出せるメソッドを提供されていらっしゃるコーチングスクールなんだなとわかりました。何かやっと、DELICさんの真意が私なりに理解できた気がするので、この上でもう一回受講してみたいですね(笑)。お話をありがとうございました。

やった (笑)、お待ちしています。ありがとうございました。

 

DELICでの授業風景。真剣な参加者と、エンパワーする林さん

 

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◆話し手…林健太郎
合同会社ナンバーツー エグゼクティブ・コーチ
一般社団法人 国際コーチ連盟日本支部 創設者
2010年にコーチとして独立して以後、ビジネスリーダー250人に対して2000時間を超えるコーチングを実施。企業向けの研修講師としても活躍し、年間の登壇回数は100回近くにのぼる。
人が変化する瞬間に立ち会い続ける中で、「人が変わるためには何が必要で、実際に変わる瞬間に何が起こるのか」という見識に裏打ちされた、コミュニケーションメソッドを確立。国際コーチ連盟の依頼で出演した動画の再生回数は50万回を超え、海外からの引き合いも増えている。
【取引実績】アストラゼネカ、HSBC、エスティーローダー、武田薬品工業、トライバルメディアハウス、LIXIL、フィリップモリスジャパン、フェラーリジャパン、ヒューレットパッカード 他多数

◆聞き手…おおばやしあや
SAI Japan / ウェルビーイングコミュニケーションラボラトリー代表、フィンランド国家認定ソーシャルワーカー。人の真の多様性を活かし「はたらく人のwell-being実践」と「組織の発展」の両方をコミュニケ―ション活性から促進させることを目指し、コミュニケーションカードツール開発のほかwell-being(より良く生きる)や本質的な内容の研修を企業、医療機関、大学、行政などに提供。命の大切さを伝えるFMラジオ番組の進行役も務める。