INTERVIEW

  • HOME
  • クライアントへのインタビュー

クライアントへのインタビュー

林健太郎を信頼する経営者のひとりである、株式会社トライバルメディアハウス代表取締役社長池田紀行さん。どのようにして林コーチと出会い、どのようなメリットを感じていらっしゃるのでしょうか。林が聞きました。
(話し手… 株式会社トライバルメディアハウス代表取締役社長 池田紀行  聞き手… 合同会社ナンバーツー 林健太郎)

※この記事を読むのにかかる時間…約15分

 

池田紀行氏(左)と林健太郎

 

林健太郎は困ったときの駆け込み寺

 :池田さんが代表を務められているトライバルメディアハウス(以下トライバル)では、2013年から弊社のサービスをご利用いただいています。最初に私を起用いただいたときに、どんな印象を持たれましたか?

 

池田:最初はたしか、弊社の採用メッセージを考えるプロジェクトでしたよね。人材バンクに出すキャリアシートの文章に、我々が何者で、どんなことを目指していて、「だからこんな人に来てほしいのだ」といったことを、限られた文章でシャープにまとめるということは、予想以上に難しかったんです。

実は、僕たちはコーチング体質とは真逆の人間で、「コーチなんていなくても、俺たちだけでできるぜ」みたいなやつらばかりだったんですけど(苦笑)、第三者である林さんに入って仕切ってもらうと、「こんなにしっかりとしたアウトプットを時間どおりに出すことができるんだ!」という感動がありました。

 

 :それは良かったです!当初の採用メッセージは、わりとエッジが立った感じでしたよね。一方で、当時のトライバルさんの社内の意思決定や面接の進め方は、よりロジカルでコンサルティング的なところがあって、対外的なメッセージと実際との乖離が際立っていたような感じがありました。

 

池田:当時は創業してまだ6年目くらいで、マネージャー会議のメンバーも6人の時代。採用活動も昔のやり方やメッセージがそのまま残っている状態だったんです。採用担当のスタッフからも、「池田さん、このままじゃ欲しい人材を採用できませんよ!」「どういう人を求めているのかもう一度整理して決めないと採用できません!」といった声が上がっていました。

あの取り組みから、僕たちは第三者に入ってもらうことにアレルギーが無くなったし、林さんは、僕たちが困ったときの駆け込み寺として「林さんならなんとかしてくれるんじゃないか」的なポジションを獲得しましたよね(笑)。

 

 :そうでしたね。 それ以来、トライバルさんのさまざまなプロジェクトに関わらせていただくことになりました。

 

池田:次世代リーダーのチームビルディングというプロジェクトもありましたよね。あのころは組織づくりや意識改革に力を入れ始めていたのですが、ミッションやビジョンがあるようで無かったり、スタッフに浸透しきっていなかったりで、組織としてはまだすごく脆弱でした。当時は「みんな仲良く、風通しよくやってます」と言ってはいるけれど、実は結構ドロドロしている感じもあって。

 

 :そういった当時の取り組みが池田さんにとっては非常に知見を得られた取り組みになって、それが現在の組織づくりにとても活かされているような印象があります。

 

池田:例えば話し合いの場に林さんがいなくて、僕と次世代リーダーたちだけで「さあ、今日は本音で語り合おう!」と言っても、絶対にそういう空気にはならなかったと思うんです。そういう意味では取り組み方も新しかったし、単発の成果というよりは、今につながる大きなうねりみたいなものが生まれたことは、すごく大きいと思うんですよ。

 

「プロに任せる」という選択が功を奏したチームビルディング

 :トライバルさんの場合は私がある程度自由にできる環境でご依頼いただけるので、すごくありがたいんです。

 

池田:うちもまだ未熟なところがあって、やり方を指示できるレベルに達していないから、そこはプロである林さんにお任せ。それをうまく料理してもらえたな、みたいなところはあったかもしれませんね。

 

 : 皆さんと一緒に合宿して取り組んだミッションビジョンのつくり直しは印象的でした。

 

池田:あれは、経営委員会(を構成する)メンバーにとって本当にいい経験でしたね。その取り組みがあったことで、彼らもなんとなく僕と同じ景色が見られるようになり、時間軸も合って「この時間内にここ目指したいよね」という話ができるようになった。

そして、それぞれの役割や強み、弱みが明確になったことで、彼らの部下との付き合い方が変わり、全体の雰囲気だったり、風通しみたいなところが良くなっていった気がしますね。

 

 :打ち上げ花火のように、一回ワーッと盛り上がって終わってしまうチームビルディングは世の中にたくさんあるんですけど、それじゃ何も変わらない。だから、もうちょっと強烈なくさびを打たないといけない、というのが私の信念なんです。そして、その時の取り組みが時を経てもチーム内で語り継がれていく。そんな体験を提供することにこだわってやっています。

 

池田:スタッフ全員で一回合宿やったからなんとかなるというより、すべては日々のコミュニケーションの積み重ねじゃないですか。そういう社内での何十、何百の体験が積み重なって会社の文化がつくられるんでしょうね。

 

「ナンバーツーの林さん」という人が、僕のいないところで代弁してくれているという安心感

 :池田さんは「変わる」ということに対してオープンで、より良くするためには変化を恐れず、すぐに変えていく経営者だと思っています。そしてそれがポジティブに作用する。その一連の意思決定が、速くて力強いのが特徴ですよね。

 

池田:「サラリーマン社長」なのか「創業者」なのかという違いもあるでしょうね。うちの場合は、僕が創業者だし、僕もクライアントのことをよく知っていたので、僕が「やろう!」って言ったら動き出すみたいな感じの速さはあったと思うんです。

そんな中で、第三者である「ナンバーツーの林さん」という人が、僕のいないところでファシリテートしてくれているっていう安心感は本当にありがたいです。林さんとのお付き合いも長くなってきたので、「みんなが今やっているこの議論、池田さんが聞いてたらどう思うかな? きっとこう思うんじゃない?」って僕がいないところでも林さんが言ってくれるじゃないですか。

 

 :普段から池田さんが言いたいことや、やりたいこと。大事なことと、そうでないことをしっかり汲んでおく。そしてそれを「こうだよね」と代弁すること。社長がそこにいようがいまいが、社長と同じ熱量で私が伝えることができれば、スタッフの皆さんにメッセージが降りやすくて、「あー、そうだったんだ!」と思ってもらえる感じはあります。

池田さんの場合は動きが結構速いので、「あれ、そういう方向でしたっけ!?」と私自身が驚く瞬間もたまにあるのが正直なところです。「あっ、もうそっちなんですね!」と急にアジャストするみたいなときは結構大変ですけど(笑)、やりがいはありますね。

 

林さんは「決して期待を裏切らない」人

池田:以前、ひとつのチームの人間関係が悪化してしまって「わかり合えることは、もう絶対にない」と言い合っていたスタッフが、林さんのグループコーチングを受けたら無事に和解した、ということがありました。こうした体験を持っているから、トライバルのスタッフは「自分がどんなに頑張って介在しても、この二人の人間関係は修復不可能だ」みたいなときには、たぶん真っ先に林さんのことを思い浮かべると思うんですよね。

 

 :ありがたいお話ですね。話は変わりますが最近、トップ層の組織改革をされましたよね。

 

池田:経営委員会のメンバー10名に、次世代の組織づくりに携わってくれていたスタッフ10名を加えて1つに束ねました。新しく加入した人たちはまだまだ経験が浅くて、大人しい。経験値もまだ少ないし、議論になかなか加入できない一面もありました。ただ、この再編成によって既存の経営委員会メンバーのハートにもう一度火をつけたいとも思いました。そんな20人の足並みを揃えたいと思ったときに、僕が①やれること、②やれないこと、③やったほうがいいこと、④やらないほうがいいこと、という4つの側面があると思ったんです。

 

 :そうだったんですね。

 

池田:以前だったら「いや、やれる」とか「やっちゃっても大丈夫だろう」みたいに考えたと思うんです。それが今は林さんがいて、いろんなことを任せたらやってくれるっていうことを知っているので、「あ、これはむしろ僕がやらないほうがうまくいくな」と考えることができるようになったんです。トップダウンで「こっちに行くのだ!」と方向性を示すことは、当然僕がやったほうがいいんですけど、みんなが自分の頭を使って考えるべきところは僕はやれないし、やらないほうがいいかなって思うようになったんです。

こういう場合は、林さんに入ってもらうことで、みんながあきらかに「自分たちで頭を使って気付きを得たんだ」「自分たちで決めたんだ」「だからやるんだ!」という納得感をもって行動することに繋がります。

 

 :お付き合いが長くなると会社の中の事情にも詳しくなります。それがプラスに働く時もあれば、その逆もあると思っています。知れば知るほど客観的な判断が難しくなるんです。私の場合は、会社の中の人でもあるような、何も知らない部外者でもあるような、そんな立ち位置で関わっています。それをどう切り出すと皆さんが変化するのか、組織の成長に合わせてどこまでこちらが外部として介在するかのバランスを常に考えています。

 

池田:林さんのことを「自分の頼りになるコーチ」って思っているスタッフもいるだろうし「組織を導いてくれる人」みたいにとらえている人もいると思うんです。スタッフの働き方やポジションによって、林さん像はいろんな風に見えているはずです。でも、多くの人にとってはまだまだ超第三者なんじゃないですかね。よく会社に来るし、合宿でも飲み明かしたりするけど、緊張感がない関係にはなってないから、絶妙な間合いの取り方なんじゃないかなと。そして、総じて「頼りになる人」とか「たまに来る行司さんみたいな人」って感じだったり(笑)。

 

「進化する石垣」を築いていくために必要な視座とは

 :長く関わってきたなかで、トライバルの組織は最近かなり「仕上がってきている」ように感じるんですよね。

 

池田:その「仕上がってる感」に対して、実は僕が感じている次の危機感があるんです。先日、とある上場企業のベンチャー社長に聞いてすごくいいなって思った話があるんです。お城の石垣の石の形は、全部不規則ですよね。それは、耐震性がものすごく強いからだそうです。これってチームも同じですよね。

自分の得意は誰かの不得意、誰かの不得意は自分の得意、それでチームが成り立っているから、大きなパフォーマンスを発揮して成果が出せる。だから、自分ができることを驕らず、自分ができるのに相手ができないことを咎めず、そんな個性ある強いチームづくりをしています――と。

 

 : トライバルの石垣はどういう状態なんでしょうか。

 

池田: 今はすごく綺麗で強固な強い石垣に見えるんです。でもその一方で、「ここに城をつくるべきだ」とか「いつまでに工事を完成させる」と指示する人間やビジョンを語る人間や「ここに石垣はもういらない」っていう人間が、実は絶対的に足りてないんじゃないかって懸念しているんです。

ナンバーツーさんの協力もあって、うちには綺麗ですごく強いすばらしい石垣ができたと思っています。でもみんな、個性溢れる「いい子ちゃんたち」になってしまっていないか? やんちゃで勢いのある会社ではなく、良くも悪くも「ちゃんとした(面白みに欠ける)普通の会社になろう」みたいな発想になってきていないか? と。制度やルールは必要です。でも、手段が目的化してしまって、エッジがなくなったり、スピードが落ちてしまったらそれこそ本末転倒です。

 

 :私の役割は、皆さんに「それでいいんだっけ?」と問うことですね。

 

池田:僕は経営の嗅覚が落ちた時点で現役を退こうと思っているので、次に自律的に「次に会社が向かうべき方向はこっちなんじゃないですか?」みたいな話を誰がしていくんだろう、と(事業継承について)今から考えていきたいんです。

みんなで石垣を必死に守っていても、「時代は動いてるのに、石垣はずっと動かない」みたいな状況にはしたくありません。「経営者の視点を持て」っていうよりは、「なぜあの人は、この決断をしているんだろう? この発言をしてるんだろう?」ってことを想像するクセを一番につけてほしいんです。

その組織に合わせて、本当に血の通う施策で結果を出してくれるのが、ナンバーツーさんの強み。マネジメント層の意識変容を対価とするなら、林さんを起用した元はちゃんと取れていますね。

教科書的なチームビルディングや組織改革のようなことは、いろいろな人の知見やフレームワークなどがとても参考になるし、大事だと思うんです。でも、そんなに簡単にできたら、どこの会社もすばらしい組織になるはずなのに、なぜそうならないのか。それは、そこには人がいて、さまざまな感情や想いが渦巻いているからなんですよね。

文化形成や制度設計などは、課題は多いものの、おおむね順調に進んでいます。でも、いろいろな制度がうまく運用されるかどうかは、組織が持つ風土によります。どのように組織に血を通わせるかとか、生きた施策とか、そういったことを林さんにはこの数年で学ばせてもらってますし、そこがナンバーツーさんの強みなんだろうなという気がします

 

 :我々は外部の支援者として、例えば1日研修とか1時間のコーチングセッションとか、単発で1回こっきり入ればそれでいいんですけど、従業員の皆さんは毎朝起きて、電車に乗って出社します。毎日同じ人と顔を合わせるなかで関係が作られ、その中で生活しているということを忘れてはいけないと思うんです。

私のような外部の第三者が入ってきて、荒療治をすることは大きな改革として一見見栄えが良くても、今までの関係性を根本から壊してしまうリスクがあります。それは従業員の皆さんにとっては不都合なことです。しかし、だからと言ってコンサバティブにまとめすぎてもいけない。そういう際どいバランスが大事だと思っています。

 

池田:うちの会社はこの4年くらいで従業員数が50人から100人になりました。その中で林さんに関わってもらうことで組織がより良くなり、このまま150人、200人と増えても問題なさそうな、まさに石垣の基礎工事が完了している感があります。

持続可能な成長の足場が固まっていることに加えて、組織の統合やマネジメント層の意識の向上なども底上げができているんです。

 

 :これからのトライバルの発展や成長に向けて、ナンバーツーにはどんな関わりを期待されていますか。

 

池田:うちの会社もこれからさらなる成長に向けていろいろと動きが加速していくわけですが、次の『成長痛』は間違いなくやってくるんですよね。「お客さまの笑顔のために、みんなで良い仕事をするんだ」という一方で、会社というものは当然「利益を出し続けなければ、社員の給料を上げることもできない」という厳しい面もあるわけです。

僕たちが今、掲げているミッションは『ソーシャルエコノミーでワクワクした未来をつくる』なんです。スタッフのなかには、とても真面目で、自分の果たすべき役割に心の底から誇りを持って、お客さんにそのサービスを提供しようとしているスタッフがいます。でも、残念ながら、お客さん側の意思決定者が「そんなことは、どうでもいい」とか「利益さえ出れば手段は何でも良い」といった感じだと、「私が提供しようとしているサービスの価値は一体なんなんですかね……」と、モチベーションが下がってしまうことがある。そういったスタッフたちに対しては、「俺たちが提供しているサービスに自信と誇りを持て!」と、心に火をつけてあげる必要があります。

今後はトライバルとナンバーツーさんの成果として「こんなに元気のなかった会社が、あの経済番組で紹介されちゃったよ! 熱狂経営で!」みたいな感じにしたいなと、ひそかに思っています(笑)。

 

 :私は平然と暮らしてる人たちに焚き付けるのが得意だったりします(笑)。「あっ、そうだ! このために生きてるんだった!」みたいな感じで、ちょっとずつ心に火をつけていくことが!

 

池田:今後もそんなパートナーシップを築いていけたらいいですよね! ぜひ今後も、組織の助っ人として、我々の『成長痛』を乗り越えるお手伝いをお願いしたいです。本当に頼りにしています。

 

林  :こちらこそ、ますます大きく加速していくトライバルに関われることは、職業人としての喜びです。これからも、一緒に新しい取り組みをしていきましょう!

 

◆話し手…池田 紀行
株式会社トライバルメディアハウス 代表取締役社長
1973年横浜生まれ。マーケティング会社、ビジネスコンサルティングファーム、マーケティングコンサルタント、クチコミマーケティング研究所所長、バイラルマーケティング専業会社代表を経て現職。キリン、P&G、トヨタ自動車、ヤマハ発動機などのソーシャルメディアマーケティングや熱狂ブランド戦略を支援する。宣伝会議、JMA(日本マーケティング協会)講師。

◆聞き手…林健太郎
合同会社ナンバーツー エグゼクティブ・コーチ
一般社団法人 国際コーチ連盟日本支部 創設者
2010年にコーチとして独立して以後、ビジネスリーダー250人に対して2000時間を超えるコーチングを実施。企業向けの研修講師としても活躍し、年間の登壇回数は100回近くにのぼる。
人が変化する瞬間に立ち会い続ける中で、「人が変わるためには何が必要で、実際に変わる瞬間に何が起こるのか」という見識に裏打ちされた、コミュニケーションメソッドを確立。国際コーチ連盟の依頼で出演した動画の再生回数は50万回を超え、海外からの引き合いも増えている。
【取引実績】アストラゼネカ、HSBC、エスティーローダー、武田薬品工業、トライバルメディアハウス、LIXIL、フィリップモリスジャパン、フェラーリジャパン、ヒューレットパッカード 他多数